Gyrinus mexicanus
Shaw & Nodder, 1798[3]
メキシコサンショウウオ(Ambystoma mexicanum)は、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類。本種をはじめとした幼形成熟したトラフサンショウウオ科の個体はアホロートルと呼ばれる。流通名ウーパールーパー。
メキシコ(ソチミルコ湖とその周辺)[4][5][6][7]固有種
種小名mexicanumは「メキシコの」の意。
全長10 - 25センチメートル[4][6]。メスよりもオスの方が大型になり、メスは最大でも全長21センチメートル[4]。通常は幼生の形態を残したまま性成熟する[4]。胴体は分厚い[4]。小さい孔状の感覚器官は発達しないが、頭部に感覚器官がある個体もいる[4]。左右に3本ずつ外鰓がある[4]。背面の体色は灰色で、黒褐色の斑点が入る[4]。
上顎中央部に並ぶ歯の列(鋤口蓋骨歯列)はアルファベットの逆「U」字状[4]。四肢は短く、指趾は扁平で先端が尖る[4]。水かきはあまり発達せず、中手骨や中足骨の基部にしかない[4]。
自然下では水温が低くヨウ素が少ない環境に生息し、サイロキシンを生成することができないため変態しない[6]。
繁殖様式は卵生。11月から翌1月(4 - 5月に繁殖する個体もいる)に、水草などに1回に200 - 1,000個の卵を産む[4][7]。
開発による生息地の破壊、水質汚染などにより生息数は激減している[4]。以前はメキシコ盆地内のスムパンゴ湖やチャルコ湖・テスココ湖にも生息していたが、埋め立てにより生息地が消滅した[4][6]。1975年のワシントン条約発効時からワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]。
ペットや実験動物として飼育されることもある[6][5]。国際的な商取引が規制されているため、日本ではほぼ日本国内での飼育下繁殖個体のみが流通する[7]。飼育下では白化個体などの様々な色彩変異が品種として作出されている[4][7]。
飼育下ではサイロキシンの投与や水位を下げて飼育することで変態した例もあるが[6][7]、以下では主に流通する幼形成熟個体に対しての飼育の説明を行う。アクアリウムで飼育される[7]。水棲の有尾類としては水質の悪化や高水温に対する耐性もある[7]。一方で水質が悪化すると最悪の場合には外鰓が壊死し死亡することもあるため、濾過などにより清涼な水質を維持したり夏季には高水温になることを防ぐ対策をすることが望ましい[7]。 隠れ家として流木や岩・市販の隠れ家を設置したり、水草を植えこむ[5]。底砂を敷く場合は誤飲しないように生体が飲み込めない大きいものにするか、飲み込んでも簡単に排泄されるような細かい粒のものにする[5]。 餌として魚類やエビ、ユスリカの幼虫などを与える[5]。専用の配合飼料も市販されており、飼育下では専用の配合飼料だけでなく動物食の魚類用配合飼料(水中に沈む物を使用する)にも餌付く[5][7]。 協調性が悪いため、複数飼育を行う場合は飼育頭数よりも多い数の隠れ家を用意する[7]。餌用も含めて魚類などをケージ内に混泳させると、外鰓を傷つける恐れがあるため注意が必要とされる[5][7]。
日本国内では1985年に日清焼そばU.F.O.のCMにウーパールーパーの呼び名で幼形成熟個体が登場。ブームとなった。広告代理店によりキャラクター化もされ尾崎亜美によりキャラクターソング「ウーパーダンシング」もリリースされている(シングル盤ではキャラクター・パピとしてで歌っている)。このウーパーダンシングはアニメ化もされている。またチェイン&ウーパールーパーによる同名の楽曲も存在し、こちらもU.F.O.のキャンペーンソングとなっている。他にもウーパールーパーを題材にしたCMには大関酒造の「のものも」がある。
メキシコサンショウウオ(Ambystoma mexicanum)は、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類。本種をはじめとした幼形成熟したトラフサンショウウオ科の個体はアホロートルと呼ばれる。流通名ウーパールーパー。