ケンポナシ(玄圃梨、学名: Hovenia dulcis[1])は、クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木。
東アジア温帯一帯に分布し、日本では北海道の一部から九州まで自生する。
初夏に小型の白い花が集散花序になって咲く。秋に直径数ミリの果実が熟す。同時にその根元の枝が同じくらいの太さにふくらんで、ナシ(梨)のように甘くなり食べられる。見かけは枝つき干し葡萄のようなので、英語では"Japanese raisin tree"という。この実は民間では二日酔いに効くともいわれる[2][3]。この効用はジヒドロミリセチンと呼ばれる化合物に由来するという研究が発表されている[3]。
葉や樹皮を煎じて茶のように飲むこともある。葉に含まれる配糖体 ホズルシンには甘味を感じなくさせる性質がある。ケンポナシ抽出物[4]にはアルコール臭の抑制効果があるという報告もあり[5]、ケンポナシ抽出物はチューイングガムなどに利用される[6]。
昔の日本ではテンボノナシと呼び、肥前ではケンポコナシと呼んでいたが、シーボルトは、計無保乃梨(ケンポノナシ)、別名を漢名「シグ」とした。転訛して、ケンポナシとなった[7]。
東アジア温帯に数種ある。